2011年4月10日日曜日

どこまで強くなれるのか(立禅)

Q.52歳で子供と近所の新極真に入ったばかりで、すぐに
膝の関節を痛めてしまいました。

DVDとテキストを拝見させて頂きまして、
最初は3分から、はじめて、今は25分立禅が出来る様になりました。

立禅はどれ位まで時間を増やせばよいのでしょうか?
また、組手でも効果が出るには、
もっと腰を落とした方が良いのでしょうか?

私みたいな年寄りでもどこまで強くなれるか?
頑張ってみたいと思いますので、
今後共、ご指導の程、宜しくお願い申し上げます。


A.52歳で空手にチャレンジとの事。
頑張ってください。
何と言っても私より7歳も若いんですから・・・。
 
さて、立禅の時間ですが、
25分位立てるのなら後はその時の
気分でいいと思います。

そして力を感じ取れるようにする事。
動かなくても、動いている時の感触を
思い出せるように立てれば良いと思います。
 
気分良く立てるのが一番です。
膝が痛くなくなったのも、
自然にバランスよく立てる様になったからだと思います。
 
それから腰の高さに関してですが、
単に低ければ良いというのではなく、
禅で腰に力を感じられる位置を見つけるのが
一番だと思います。

その為に、何時も同じ高さではなく、
その時その時で変えてみてください。

ちょっと変えるだけで随分感じが違うものです。
 
これで良い、そう思っても工夫してみると
いろんなものが見えてくると思います。
 
私もあとひと月ちょっとで還暦です。

沢井先生は「一番強かったのは60台だった」
と言われてました。

その言葉を胸に私も稽古を続けます。
 
お互い明日に期待を持ってやって行きましょう。
 
            太氣会 天野

膝の痛みが強い(立禅)

Q,約1年間、平日は朝20分、週末は30分の立禅を続けています。
腰・下半身の力が抜けず特に膝の痛みが強いです。

しばらく時間が経てば痛みは消えますが、そこからなかなか打開できません。

禅を組んでいる途中に左右の足が微妙に前後して正対している身体がわずかに開いてしまいます。

とにかくこのまま続けて自分で感覚をつかんで行くしか
無いとは思いますが、もし何かヒントがあれば
頂けるとありがたいです。






A. さて、膝の痛みがあるとの事。
膝の痛みの原因は大体二つあるようです。

立禅を組むときに、
足の指で地面を軽く掴むようにします。
で、その時に強く掴みすぎると膝痛の原因になります。
ですから、足指の力加減を工夫する事がひとつです。

もう一つの原因は重心です。
腰が引けた状態で立つと膝に過度に負担が掛かり、
その結果膝が痛くなります。
爪先の上に頭があり、腰がちょっと引けてしまい、
爪先と腰と頭を結ぶ線が三角形を作った状態です。

この場合は腰を前に押し出して、
後ろにもたれかかる様にすると改善されます。

どちらにしても自分で直すしかありませんが、
大事な事は工夫する、と言う事です。

昨日立った時と同じように今日立つのではなく、
ちょっと変えてみる。

今日とちょっと明日は変えてみる。

一年あれば365回の工夫ができます。
その工夫の積み重ねが「変わる」と言う事だと思います。

それから正対した時の身体のバランスですが、
そういうところに眼が行く、
それが素晴らしい事だと私は思います。
多分立禅を組まなければ気が付く事が無かった事です。
私にも同じような事があります。

それが良いとか悪いと言う事ではなく、
自分の身体というものに癖があり、
教科書に載っている「人の身体とはこういうものだ」、
では括りきれないものだ、と判る事。

つまり、自分は自分と向かい合う事でしか見えてこない、
と言う事に気が付く。

多分、立禅を通して自分と向かい合った事の無い人には判らない事です。

これからも立禅を通して、
自分と言うものを見つめ続けてください。

太氣会 天野

立禅の効果は?

Q.はじめまして。私は「トランクエクササイズ」DVDを購入させて頂きました、
38歳 男性)です。DVDの内容の質問ではないのですが、
天野先生の著書を拝見いたしました。その中で「立禅」が紹介されていました。
この立禅も体幹トレーニングに効果はあるのでしょうか?また独学では習得は
難しいでしょうか?また立禅の効果などもお教えいただけると幸いです。
DVDの内容とは異なった質問で、申し訳ございません。




A. 立禅についてのご質問ですが、
実は「トランク・エクササイズ」は立禅から出てきたものです。

座禅と言うものがありますが、立禅は立って組む禅です。
立つって、何を今更、と思うかもしれません。
でも、実は「立つ」って言うのはとっても難しいんです。
当たり前に思っていることややっている事を改めて見直す。

そうすると全く新しい事が見えてきます。
簡単そうで、一体どう立ったらいいのか判らなくなります。
そうするとひとつひとつ薄皮をはぐように、
今までと違った「立つ」と言う事が見えてきます。

質問中に「習得」と言う言葉がありました。
でも、立禅は自分と向かい合う一つの方法ですから、
「これが正解」と言うものはありません。
立禅を通して、自分と言う世界を広げていく。
その一つの方法と思って貰えればいいのでは無いかと思っています。

私もそんな気持ちで毎日立禅を組んでいます。

太氣会 天野

女性でも大丈夫?(体幹トレーニング)



Q.全部を拝見していません。
お腹を上に、下に波のように動かす動作をみながら試して、
混乱してまだ先に進んでいません。

これは女性でも効きますか?
ピラティスをやっている友人に
「太極拳の呼吸とかわかる?」と聞いたら、
ちゃんとはわからないけれど、とても興味がある、と言ってました。

オススメしてみてもいいでしょうか?





A.お腹を波打たせるのは結構難しいと言う事を聞きます。
普通の生活ではお腹を緊張させる事はあっても、
運動させるという事はあまり無いので、
最初は難しいかもしれませんが、
慣れれば内臓も動いてなかなか気持ちのいいものです。
特に胃や腸の蠕動を助けるので消化にはいい結果も出ると思います。
ただ、あまり強く遣り過ぎないようにしてください。

それからこれは別に男性に限ったものではありません。
女性の体型維持・便秘その他にもいいと思います。
普段の運動では動かないところを活発化させる。

これは男性女性に関わらず大切な事だと思います。

太氣会 天野

楽に動けるように(体幹トレーニング)

Q. 現在、病気(パーキンソン病)を患っていて
ネットで見つけ購入。

DVDは眺めているだけで動けなかった。

今後は足腰の動きが不如意なので、少しでも楽に動けるようになりたい。


A. パーキンソン病で足腰の動きが辛いとの事。
 
医療の経験はありませんが、私なりに考えてみました。
 
人が動きます。
何処が動くのかと言えば手と脚です。
手と脚を動かして身体を動かします。
ですから、手と脚を動かす訓練をします。
 
当たり前すぎる位当たり前です。
でも、これって本当に当たり前でしょうか。
 
自動車が動きます。
タイヤが回るからです。
でも、タイヤは自分では動きません。
当たり前です。
 
此処で言っているのは実は同じことです。
人の手足はタイヤと似たものだと思っています。
手足もタイヤも実は別に動力源を持っているということを言いたいのです。
勿論手足はそれ自体でも動く事が出来ます。
でも、タイヤがエンジンの動力で動かされるのと同じで、
手足も別の動力源で動く事も出来るのです。
 
いや、ちょっとこれは言いすぎですね。
別の動力源で動くと言うより、
手足は、それ自体で動きますが、
 
もう一つに動力源と同調する事で、より効果的に力強く動く、
と言った方がいいかもしれません。
 
もう一つの動力源なんて何処にあるのか、
と言われそうですが、
それは自分で探すしかありません。
私が出来るのはその為のヒントです。
 
そこは何処ですか、と聞かれれば答えは簡単です。
「肛門」です。
お尻の穴をきゅっと締める。
でも、これだけでも一筋縄ではいきません。
どういう風にすれば肛門を上手く力強く締める事が出来るのか、
を探してみる。
締め方だって色々あります。
おなかに力を入れてみたり、と工夫する。
ああもこうも工夫する。
これは何処でも出来ることです。
別にトイレに行かなくても、
テレビを見ていても出来ることです。
 
ですから、先ずこれからはじめる。
で、次に肛門を閉めるのと同時に他の動きをして見る。
 
例えば、今座っているとしましょう。
据わった上体で軽く右足を上げる、或いは上げようとする。
次に肛門を締めるのと足を上げようとするのを同調させてみる。
 
最初から上手くいくかどうかは判りませんが、
そのうち肛門を締める動きが下腹部の緊張を引き出すかもしれないし、
脚を上げる力が力強くなるかもしれません。
 
此処では据わって脚を上げる、と言うのを例にとりましたが、
何でもいいんです。
 
どんな動きでもいいですから、肛門を締める力と他の動きを同調させてみる。
上手くいくものも、行かないものもあるかもしれません。
でも、ただ手足を動かして見ようとするより、
身体全体が活性化するのは確かだと思います。
 
個別の病気に関する知識は私にはありませんが、
こんな工夫がお役に立てればと思い、
返信いたします。
 
                   太氣会 天野